何年か前から色々なところで耳にするようになったオレンジワイン。
新しく開発されたものという印象もあるかもしれませんが、
実は古代ギリシャ、ローマ時代から存在する由緒あるワインなんです。
名前の由来
オレンジワインと聞くと、オレンジから造ったワインなの?と思われる方もいると思います。
でもオレンジワインはれっきとしたブドウから造られたワイン。
色が”オレンジ”のように見える為、こう呼ばれています。
他にはやはり色由来でアンバーワイン、醸造方法由来でスキンコンタクト・ワインと呼ばれることもあります。
オレンジワインの造り方
使用するブドウは白ブドウです。
醸造方法は赤ワインとほぼ同じ。
=白ぶどうの皮と種子も一緒にマセラシオン(浸漬)します。それによってしっかりとした香りや渋み、タンニンを伴ったワインになります。
色についても皮や種子の影響を受けて、濃い黄色〜琥珀色のワインになるんですね。
アルコール度数は少し高め、酸味が低めになることが多いです。
オレンジワインと逆の造り方なのは、ロゼワイン。
ロゼワインにはいくつか醸造方法がありますが、その内の1つが黒ブドウで白ワインのように造っています。
ロゼワインについてはこちらにも書いてあるので、良かったら見てみてくださいね。
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ロゼワインの造り方とおすすめ
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オレンジワインを楽しむ
オレンジワインの適切な温度はこちら。
●ライトボディのオレンジワイン:10℃~12℃
●フルボディのオレンジワイン:12℃~16℃
冷やし過ぎてしまうと渋味が際立ったり、ふくよかさを味わえなかったりする為、
白ワインよりも少し高めの温度がおすすめです。
でも逆に今日はすっきり飲みたい気分だな〜という時は
上記の温度より2〜3度低めにするといいですね。
オレンジワインはロゼワインと同じく、様々な料理と合うワインです。
スパイシーなお料理やクセのあるチーズに合うワインを探している時、
ぜひ候補に入れてみてください。
あと和食との相性は◎ 寿司と合わせても楽しめるでしょう。
オレンジワインにも濃いしっかりとしたものから、すっきり目のものまで幅広くあるので、購入する時に店頭のソムリエさんやエキスパートさんにぜひ聞いてみてください。
個人的な見解ですが、オレンジワインは味わいに地味深さを感じるせいか、
大人数でというよりも、2ー3人で、もしくは1人でしみじみ飲みたい時が多いかもしれません。
ジョージアワイン 「クヴェヴリ」によるワイン造り
オレンジワインに興味を持つと、ジョージアワインに辿りつきます。
ジョージアがあるコーカサス地方は近代ワイン、ナチュラルワインの源であり、オレンジワインの発祥地と言われています。
(日本では2015年に「グルジア」から「ジョージア」へと呼び方が変更になりました。)
ジョージアワインには独自の醸造方法があり、それには「クヴェヴリ」という壺を使います。
このクヴェヴリワイン造りは今から約8000年前に始まったと言われ、ずっと受け継がれてきました。
「クヴェヴリ」は粘土でできた素焼きの卵型の壺。壺の内側にはミツロウが薄く塗られていることが多くて、また自立できないので地中に埋めて使用します。
この中に収穫してつぶしたブドウを入れ、野生酵母のみで発酵。その後、約6~8ヶ月間の熟成を経て、瓶詰め。(熟成の期間は造り手によって異なります)
この方法によって、樽やステンレス発酵にはない、独特の味わいを持ったワインが生まれます。
この伝統的醸造方法は、2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。
ジョージアワインの現状が良く分かる映画として、おすすめしたいのがこちら。
「ジョージア、ワインが生まれたところ」
パンフレットでも書かれていましたが、ジョージアでは国民総ヴィニュロン(ワインを造る人)なのです。
家族で楽しむ為、もしくは客人をもてなす為に家庭でワイン造りを行ってきました。
ジョージアの人々にとってワイン、「クヴェヴリ」によるワイン造り、それに携わる人々の思いなどがとても良く描かれています。
残念ながら現時点(2020年11月)では、レンタル・配信もなさそう。。
もし観られることがあったら、ぜひ。おすすめしたい映画です。
まとめ
ロゼワインに続き、オレンジワインについて書いてみました。
オレンジワインは穏やかで、ふくよかな味い深さを感じます。
夏よりもこれからの秋〜冬にかけて時間をかけて飲みたくなる、そんなワインです。
オレンジワイン、ぜひ楽しんでみてください。